花輪くんの社労士試験合格体験記

2018年(平成30年)第50回社会保険労務士試験に合格しました。初回受験、完全独学の合格体験記です。

社労士試験 独学の振り返りとおすすめポイント

3:振り返りとおすすめ(途中での進捗と弱点確認)

全体的には、合格基準点である70%獲得と、最低基準である選択式3点、択一式4点を下回る弱点を持たないこととを、両立する勉強を遂行できた。

前述したように、途中段階での進捗確認や弱点確認による補強策の追加が効果的であった。

誰にとっても一番の鬼門は、選択式試験にて普段基本書等にて目にしないような通達等での5問の大問(平成23年の労災が例)出題である。

他の方の合格体験記でも、択一式試験での基準点獲得ができながら、選択式試験での事故により一年待たされた事例をよく目にする。


私はどうしても合格したかったので、最低2点あわよくば3点獲得できる嗅覚を養うために、「合格のつぼ 選択編」を繰り返すことにした。

一字一句正確に覚えることにより、各法での立法趣旨の違いを意識するように心がけた。

つまり、どんなに初めて見る条文であっても、記憶している基本条文から類推が効くことを狙った。

今回は、そのような難問が出題されなかったため効果があったとは言えないが、ここまで準備したとの自信には繋がった。

この方法は、誰にでも通用するかは不明だが、一例として紹介した。


その観点で振り返ると、独学を選択した弱点が見えてくる。

つまり、最終局面である模擬試験受験後の弱点補強は誰でも同じであろうが、6月の模擬試験受験までの期間での進捗確認が、1月の一回だけであることは反省点である。

受験予備校に通学なり通信教育受講なりしていれば、もう少し頻繁に進捗を確認できたかもしれない。

また、もう少し早く労災と雇用が弱点のままであると把握できたかもしれない。

したがって、独学であれば、自宅受験用模擬試験問題をもっと早く活用してもよかったかもしれない。


また、独学は意外と外からの情報が少なく孤独である。

無敵の社労士シリーズは、孤独を紛らわす読み物としても有効であった。

7月末から模擬試験受験者向けに、TACが講師によるワンポイントレクチャーを毎日WEB配信してくれたが、応援の気持ちを感じることができて心強かった。

 

4:最後に

冒頭の目的に記載したように、なにも知識もない状態から、先人たちの合格体験記を活用して独学により合格を目指すという決定をした。

さらに、「おすすめ」による教材選択により、一年間の独学にも関わらず初回受験で合格することができた。

しかしながら、この一年間はいろいろなことがあった。

どのような手段でも、全科目で弱点をつくらずに合格レベルまで底上げすることは、かなりの時間と家族との生活を犠牲にすることになるはずである。

私は、最終的に当初計画を超えた1150時間を充てることになった。

さらに、受験勉強は、精神的にもストレスになる。

私はこの一年の間、この選択した手段を使用していて、本当に間に合うのだろうかと気持ちが揺れた。

しかし、私は独学を選択した以上、誰にも相談できなかった。

合格に向けて実力を高めていくことは自分しかできないが、相談できる人を用意する等の受験環境は準備することはできるのである。

いずれにしても、合格を目指すということは、生活の変化に耐える覚悟を必要とするものであろう。

そのうえで、「いつから」「どのように」勉強するかの判断は、とても重要な判断である。

一年間の取り組みを無駄にしかねないなので、悔いを残すことの無いように、しっかり検討して欲しい。

各種情報を入手しつつ、ご自分の基礎知識や経験・性格を踏まえて検討することで、効果的な計画になると思う。

受験予備校や通信講座を利用することは、かなりの費用を要することだが一般的には有効な手段である。


この勉強を通して知ったことだが、公的な費用補助もある。

就労中であり雇用保険に1年以上加入している方を対象に、雇用保険教育訓練給付制度から受講終了後に20%の補助がなされる制度である。

対象講座かどうかは、こちらで調べられます。

http://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SCM/SCM101Scr02X/SCM101Scr02XInit.form

 

なお、世の中には、高いだけで効果の薄い受験講座や教材を、不安を煽ることで購入させる宣伝もある。

それらを見破り、かつ最善と思える選択をするための判断材料となるように、できるだけ詳しく記述したつもりである。

この合格体験記が、あなたの受験勉強の設計や教材選択、さらには進度確認に少しでもお役に立てるのであれば、これに勝る幸せはありません。


ご健闘を祈ります。

社労士 独学 教材選択と勉強方法

2:独学を選択した場合の教材選択および具体的な勉強の進め方
教材選択および進め方の基本は、ほとんど「社労士合格への道」http://sharoshi-gokaku.net/ のなかの「社労士試験のおすすめテキストや問題集」http://sharoshi-gokaku.net/benkyoho/kyozai/osusume-text/ (以下、「おすすめ」と略す。)のアドバイスに従った。本当に役に立った。

「おすすめ」には、次の5つを使用することを基本としている。
さらに、いろいろなものを手当たり次第に広げるのではなく、限定した教材を繰り返し活用することが推奨されている。
A:基本書
B:問題集
C:過去問題集
D:改正法律・白書対応
E:模擬試験
 
2-1 基本書学習
基礎知識がない現実と独学を選択した状況を考慮して、基本書の勉強に着手するまえに、入門書により全体像を把握することにした。
この判断は、前述の基本を逸脱するかもしれないアレンジとして意図的に行った。基本書は10月に発売されるため、勉強開始時期を遅らせるよりも入門書を活用して9月中も勉強することを優先した。
入門書は、「社労士 はじめの一歩」と「無敵の社労士1 スタートダッシュ」を使用した。
「社労士 はじめの一歩」は2回繰り返して通読したが、各制度の概要を把握するために役に立った。基本書にいきなり着手することは、私には無謀であったと思われる。
「無敵の社労士1 スタートダッシュ」は、独学を選択した私にとっては試験制度の情報入手には役に立った。
また、付録である暗記カードと勉強時間管理表はずっと活用することとなった。
合格までの最低必要勉強時間が、800時間から1000時間であると言われている。
勉強計画としては、平日は自宅学習1時間と通勤時暗記カード等1時間の計2時間。土日は自宅学習各5時間の週20時間。月80時間を11か月、トータル880時間を確保するという計画であった。
基本書は、「おすすめ」の中からTAC出版「みんなが欲しかった社労士の教科書」を選択して、10月15日より開始した。
通読の後に、章末問題をすべてといた。
問題集は、「おすすめ」に推薦されているものではなく、TAC出版「みんなが欲しかった社労士の教科書」の姉妹問題集を選択した。
基本書の各法の通読の後に、回答をおこなった。
この問題集を使用する判断は、基礎知識が無い状態ではいきなり「おすすめ」に推薦された問題集では難易度が高いのではないかと懸念したからであった。
各法を一週間、全10項目を8週間・2か月で終了すると大まかな計画を立てていたが、実際は12月15日までの2か月間にて終了できた。

しかし、合格した現時点にて振り返ると、この時点でこの姉妹問題集を選択した効果はあまり感じられない。
むしろ、「おすすめ」に推薦された「合格のつぼ 選択対策」に着手したほうが、各法の各節の重要点が効率的に整理できたのではないかと感じている。

私自身が実施した進捗をまとめて記載しておく。
9月  入門書通読
10月15日から12月15日 基本書通読と問題集
この3か月は、勉強する習慣を身に着ける期間と位置付けていた。

通勤時の学習は、前術した暗記カードの他に、小冊子である「全科目横断総まとめ」も繰り返して使用した。
これらは「おすすめ」には記載がないが、効果的であったと思う。
 
2-2 問題演習・過去問演習
12月から2月までの3か月間は、知識を習得する期間と位置付けていた。
姉妹問題集の後に、「おすすめ」の中から「合格のつぼ 択一対策」と「IDE社労士塾条文別過去問題集」を選択して、各々その1回目を行った。
当初から、模擬試験受験時までに3回繰り返して解くことを目指していた。
実際には、12月21日から1月18日までが「合格のつぼ 択一対策」であり、1月20日から3月4日までが「IDE社労士塾条文別過去問題集」である。
各々の各法終了後、基本書を通読したので、この段階で基本書通読は3回実施したことになる。
「合格のつぼ 択一対策」は一問一答形式であり、問いが的をついていた。
各条文の重要論点を理解することに、非常に役立った。
また、「IDE社労士塾条文別過去問題集」は解説が充実しているため、基本書の理解が進んだ。これらはともに、合格レベルを把握するのに役立った。

択一式試験は、全7科目各10問において5つの選択肢から一つを選ぶ試験である。
過去の合格基準実績から、70%の正解率を確保することが目標とされている。
従って、各々の選択肢の正誤判断は、30秒ほどの時間で90%を超える精度をもって行うことが要求されるものである。
この能力を養成することに、この2つの問題集はとても役に立った。
合格レベルに達するためには、間違えなくなるまで繰り返すことが求められていると思う。
 
2-3 途中確認と教材追加判断
「無敵の社労士2 本試験徹底解剖」が12月末に発売されたので、通読するとともに暗記カードを通勤時の勉強に活用した。
この冊子の要点は、その年8月に実施された試験問題を使用して、その時点での実力把握ができる点と具体的な問題の解き方アドバイスである。

実際に、試験問題をTACのホームページより入手して1月末頃3日間かけて解いてみた。
選択式25点かつ択一式36点と50%を超える正解率であったが、選択式は3科目で2点、択一式は4科目で4点以下、労災に至っては2点に留まる結果であった。
つまり、合格レベルまでの残る獲得目標は20%ではあるが、弱点科目が明らかになった。
大まかには、自分の独学という選択が間違っていないことが確認できた。
また、弱点科目の把握ができたとともに、問題文のどこをどのように読むことが重要かを理解できたのは有益だった。

3~5月の3か月間は、知識の定着期間と位置付けていた。
実際は、2018年3月5日から「合格のつぼ 択一対策」の2回目、3月26日から4月24日まで「IDE社労士塾条文別過去問題集」の2回目を行った。
各々の各法終了後に基本書の通読を行ったので、この段階で基本書通読は5回実施したこととなる。

択一対策は進捗していると感じていたが、過去問にあたる度に選択式問題対策不足を感じていた。
つまり、基本書に出ていないような条文や通達が丸々出題されることが時々発生しているが、合格するためには何とか3点を確保することが必要であった。
択一対策を十分行えば選択対策は不要であるとの意見もあったが、「おすすめ」に紹介されている「合格のつぼ 選択対策」を使用することにした。
1回目を、4月25日から5月8日までに行った。
「合格のつぼ 選択対策」が、「おすすめ」に紹介されていながら当初採用しなかったのは、前述した姉妹問題集を採用した代わりに減らした判断であった。
しかし、この段階で修正した。

実際に使用した実感では、「合格のつぼ 選択対策」は各法各節の基本点の整理を行う問題群であるため、前述したようにむしろ初期の整理学習にも最適ではないかと感じられた。

従って、問題演習・過去問演習でのお薦めのパターンとしては、次の通りである。
「合格のつぼ 選択対策」「合格のつぼ 択一対策」「IDE社労士塾条文別過去問題集全4冊」を、この順番にて繰り返して解くこと。
そして、その合間に基本書を読み直して内容を再確認すること。

5月9日から第一回目の模擬試験である6月23日までは、「合格のつぼ 択一対策」3回目と「合格のつぼ 選択対策」2回目を行った。
各々の各法終了後に基本書通読を行ったので、この段階で基本書通読は7回実施したことになる。
なお、6~8月は改正法律対応・弱点補強期間と位置付けていた。
 
2-4 改正法律対応・模擬試験・弱点補強・直前対応
「おすすめ」に、改正法律・白書対応教材として「無敵の社労士3 完全無欠の直前対策」が紹介されていた。
5月末に発売されたので、合計2回通読するとともに、暗記カードを通勤時の勉強に活用した。
模擬試験としては、「おすすめ」に紹介されていたTACの模擬試験を2回とも会場受験にて申し込んだ。
なお、IDE社労士塾他も含めて3回以上受験する案もあったが、「おすすめ」の記述もあり、2回で十分であろうと取りやめた。
実際のところ受けなくてよかったと思う。
一回目の6月23日に受験した際は、3時間30分の択一式試験の終了後に頭痛を感じるほど体力も精神力も消耗したからである。

6月23日の模擬試験の結果は、次の通り。
1 選択式試験は、全科目10分以内で回答かつ合計30点獲得したが、健康保険が短時間労働者に関する法改正点に対応できず、2点に留まった。
2 択一式試験は合計50点獲得したが、労災3点と雇用4点であった。回答時間も各々30分以上を要したため、この2科目が弱点である。
3 TACの合否判定としては、選択式での健康保険2点が足を引っ張るC判定であった。

これを受けて、7月14日の模擬試験までに、労災と雇用の補強を行うこととした。
また、選択式試験にて大崩れしないために、弱点と思われるテーマ別の補強を行うことした。

6月25日から7月13日までに実施した内容は次の通り。
1 基本書の労災・雇用部分の再通読、姉妹問題集の労災・雇用部分の再回答確認
2 「合格のつぼ 選択対策」「合格のつぼ 択一対策」「IDE社労士塾条文別過去問題集」の労災・雇用部分の再回答
3 選択式対策として、「全科目横断総まとめ」の各法の目的条文を暗記する。

7月14日の模擬試験の結果は、次の通りであった。
1 選択式試験は合計29点だが、また健康保険が高額療養費に関する法改正点に対応できず、2点に留まった。
2 択一式試験は合計47点。労災は8点獲得したが、雇用は5点に留まった。
3 全体としてB判定ではあったが、まだ穴のあることがわかった。

これを受けて、8月26日までの6週間に次のことを行うこととした。
択一対策としては、今までの手法を継続することで穴をなくすように、「IDE社労士塾条文別過去問題集」の3回目、「合格のつぼ 選択対策」の3回目を行った。
さらに、「合格のつぼ 選択対策」「合格のつぼ 択一対策」「IDE社労士塾条文別過去問題集」のできなかったところを繰り返した。
基本書通読も行ったので、最終的に基本書の通読は労災と雇用を除くと8回実施したことになる。
選択対策としては、2回とも2点に留まった健康保険を中心に、弱点と感じるテーマの細かい点までの一覧表を作成して再確認を行った。

また、本番対策として7月14日から8月26日までの6週間の間に、2週間ごとに2回自宅模擬試験を実施した。
「おすすめ」には別な教材が紹介されているが、「本試験をあてるTAC直前予想」を使用した。
目的は、選択式試験にて全科目3点を確保すること、択一式試験にて3時間30分のペース配分に慣れることが狙いであった。
この2点が、最後まで残った課題であった。

なお、2回の自宅模擬試験を踏まえて、本番での回答順は次の通りとすることとした。
1 選択式試験は、最初の労働基準法から順に最後まで進む。これでも見直しの時間が余るはずなので、各科目3点を確保する。
2 択一式試験は、私が安定して得点できる健康保険から着手して、厚生年金・国民年金までいく。途中へ戻って社会一般5問。さらに冒頭の労働基準法から順に後ろへいき、最後に労働一般5問の順番とする。各科目30分を超えないことに注意する。
意図は、得意科目から着手して弱点科目を後ろにする、かつ一番何が出るかわからない労働一般を最後にすることで、精神的な動揺を避ける狙いである。
社会一般での得点により、最悪労働一般は回答時間がなく零点でも、合計して最低基準点の4点を確保できる順番とした。

最後に、受験一週間前の日曜日の同じ時間に、会場まで実際に行ってみた。
会場である大学の門から、実際の試験会場まで意外と遠いことが判明したため、出発予定時間を早める必要があった。
事前確認をしなかったら、当日遅刻していたところであった。何事も確認作業が大切である。
これらの準備をやりきったうえで、8月26日の受験日を迎えることができた。
 
2-5 受験当日と自己採点
やりきったと思える準備をしてきたので、当日は落ち着いて受験できた。
午前の選択式試験では、余った20分間での見直しにて各科目で3点以上ある確認を行えた。
午後の択一式試験では、計画通りの回答順を実施したところ、意外にも後半の労働法3法にて時間短縮できたため、20分の見直し時間がとれた。
今まではどんなに余っても2分だったので、この時間を使って落ち着いて各科目4点以上ある確認を行えた。
自己採点の結果は、選択式合計35点(各科目4点以上)と択一式合計55点(各科目7点以上)と目標を達成するものであった。

社労士試験 独学を選択した訳

合格体験記を公開しました。
コメント大歓迎です。

今年2018年8月26日に実施された、第50回社会保険労務士試験結果が11月9日に発表されました。
2017年9月からの1年間の勉強期間ではあるが、始めての受験で合格を果たすことができました。
合格体験記を残します。

50歳代の会社員である私は、今までこの領域の知識も職歴もなかった。
しかし、いくつかの合格体験記等の助けを受けて、「独学」により合格を目指すことを選択した。
実際に合格できたことから、私が活用した先人情報の有効性を強調することで私が受けた恩に応えたい。
さらに、私の独学選択判断を含む合格体験記を残すことにより、今後受験を検討する人へかつての自分が知りたかった情報を提供することとしたい。
 
1:合格への道筋設計(いつから、どのように)、特に独学を選択した訳
社会保険労務士試験は、合格率が10%未満の国家試験である。
年1回(募集が5月、試験が8月第4日曜日)しか実施されないことから、合格までに複数年を要する可能性が高いという現実がある。

初回受験での合格者は、全合格者の10%程度との統計もある。
また、合格には最低必要勉強時間が800時間から1000時間とも言われている。


従って、合格を目指した場合には、「いつから(どの年の試験合格を目指して)」「どのような方法で」勉強を行うかの判断はとても重要である。
一年間の取り組みを無駄にしかねない判断になるので、十分に情報を集め慎重に検討を行ってもらいたい。

1-1 いつから取り組むか
「いつから(どの年の試験合格を目指して)」を考えるにあたっては、毎年法律が改正されるのに合わせて毎年試験対象内容が変わる点が他の資格試験と異なる。
法律改正に合わせて毎年教材も改訂されることになり、例年8月の試験の終了前後の8月から10月に翌年8月受験用教材が発売開始されることになる。
つまり、古い教材では、間違った回答をすることになりかねない。

従って、「いつから(どの年の試験合格を目指して)」に対しては、9月前後から翌年の8月の試験に向けて勉強を行うことが、ひとつのパターンとなる。

5月以前に独学にて勉強を開始した場合は、その年の8月の試験を受験することも可能ではある。
しかし、6月以後に独学にて勉強を開始した場合は、その年の8月の試験を受験できないため、翌年の8月の試験にむけて、再度9月以降に発売される教材を手に入れる必要がある。
次の方法論にも関係するが、大手受験予備校のTACでは、初学者向けの通学講座・通信教育として、4月から翌年の8月受験を目指した講座も設けていて、教材の買い替えの不便を省いている。

1-2 どのような方法で
「どのような方法で」勉強を行うかに対しては、大まかに3つの選択肢があろう。受験予備校に通学するか、通信教育を受講するか、独学かである。
また、前の2つを選択した場合は、どの業者を選択するかが次の悩みの種となるし、独学を選択した場合は教材選択が次の悩みの種となる。


この選択については、各種情報を入手したり合格体験記を参考にしたり、自分の持てる知識量や性格を考慮しながら、慎重に判断いただきたい。

私は、「社労士合格への道」http://sharoshi-gokaku.net/ を参考にして独学を決断し、かつ教材選択を行った。
また、迷った時にはたびたび読み返すことにして、大変お世話になった。

-3 私が独学を選択した訳

私の場合は、基礎知識がないにも関わらず最終的には独学を選択することとしたが、次のように考えたからである。

3つの選択肢を比較して、50歳代の会社員である私にとってどれが最も短期間(できれば初回)で合格できる手段かを判断することにした。
そのために、自分の仕事の状況、自分の体力・体調、そして自分の基礎知識・性格の観点から評価した。


出張が多く、決まった日時に通学できない可能性があることと、通学する体力に自信が持てなかったことや通学時間が勿体なく思えたことから通学という選択肢はなくなった。
通信教育と独学の2者択一となったが、この選択にあたり、過去の資格受験経験を振り返ってみた。

その資格受験の際に、通信教育を選択したのだが、知識の習得には役だったものの、一年目は合格レベルまで達しなかった。
二年目は、不足していると思われた合格レベルまでへの実践力を養うために、過去問題集により独学することにしたが、何とか試験に合格できた。
ただし、その時は過去問題集を3回とき直したが、記憶できないために3回ともできなかった問題をさらに2回やりなおすところまで実施した。

つまり、合格するには本番試験にて合格基準点を獲得する必要があり、その合格レベルに達するには過去問演習が有効であることは誰にとっても当てはまる。
しかしながら、私には少なくとも3回は繰り返さないと身につかないことから、過去問演習を3回やり直す時間確保を最優先すべきであることと判断した。


一方、「社労士合格への道」や他の合格体験記を読んでも、通学なり通信教育のカリキュラムでは知識の習得と問題演習が一科目毎に行われるようである。

知識の習得には効果的であっても過去問演習の時間を確保することが課題となるようであった。


これらの判断により、私は自分に合っている方法として独学を選択した。

具体的には、基本書による知識習得は短い時間にとどめて、過去問演習に早期に着手する。
不足する可能性のある知識習得は、過去問演習の都度繰り返し行うことにて補う方針とした。
しかしながら、この時点ではこの方法により知識習得が必要とされるスピードでできる保証はなく、合格にむけて全く不安であった。

社会保険労務士試験が法律知識の試験である以上、合格レベルまでの知識習得が当然ながらに前提となる。
従って、ご自身の継続する力や自制する精神力を含めた自習力に自信が無い方には独学はお勧めできない。

受験予備校への通学講座や通信教育受講は、費用は掛かるものの適切に選択すれば知識習得が容易である。
さらには、情報提供やペースメーカーになってもらえる利点もある。

大手受験予備校TACでは、初学者向けの通学講座・通信教育として、4月から翌年の8月受験を目指して、知識習得を各科目2回転する講座も設けている。

「社労士合格への道」http://sharoshi-gokaku.net/ にも、業者選択についての説明が詳しい。

私は過去の経験から独学と判断したが、もしそのような経験がない場合は、次項で紹介する入門書や基本書を購入して、独学が可能そうか試してみる方法もあると思う。
また、過去問を試してみて、難易度を把握するのも良いと思う。


いずれにしても、「いつから」「どのような方法で」合格を目指すかについては、一年間の取り組みを無駄にしかねないとても重要な判断となるので、悔いを残すことの無いように、しっかり検討してください。

仮に、独学を選択すると、その後どのような経過になるかについて参考事例となるべく詳細な経過を以下記載したい。

以上のことをまとめると、私は、2017年9月から独学により勉強することにより、2018年8月の試験を目指すことを決めたのであった。