社労士試験 初年度独学合格でのポイント
合格体験記では、2017年秋からの時間の流れに沿って、勉強の内容を書いた。
初めての挑戦では、とにかく情報が乏しいため、試行錯誤になりやすいと思う。
従って、効率的に勉強していくために、試験問題の特徴から、私が感じた
「初年度独学合格でのポイント」を書くことで、これから挑戦する方への参考
にしたい。
1 択一式試験(7教科各10点、210分、合格基準は70%の49点)
1-1 問題の特徴
問題形式は、5つの選択肢の正誤を判断し、ひとつの正解を選ぶものである。
1問あたり3分なので、ひとつの選択肢の正誤判断は30秒ほどで行う必要が
ある。私にとっても、これは最後まで難題であった。
また、合格基準である70%の正解率を確保しようとすると、ひとつの選択肢の
正誤判断の正解率は90%を超えることが必要となる。
さらに、選択肢の文章は、「○ならば△である。」の形式である。
今まで私が慣れてきた誤った文章は△が間違ったものであった。
しかし、社労士試験の場合は、○が間違ったものも誤と判断する必要がある。
つまり、正誤判断をするべき場所が多岐に渡っているため、慣れが必要である。
まとめると、合格するには、独特の文章を30秒で読んで、正確に正誤判断
できるようになる必要がある。
1-2 効果的と思う勉強方法
労働基準法を初めとする各法の制度を理解することは当然として、
合格には細かいところまで精確に記憶している必要がある。
間違った文章を読んだときに、ここが間違っているとすぐに判断できることが
求められている。
このレベルに達するためには、基本書で制度を理解して、かつ正しい内容を
記憶することが入り口ではあるが、薄く広くよりは必要最小限の内容を
しっかりと記憶することが重要であると思う。
私は、「社労士試験のおすすめテキストや問題集」
「おすすめ」と略す。)のアドバイスに従い、
TAC出版「みんなが欲しかった社労士の教科書」を選択したが、最終的に
8回以上通読することを行った。
私の合格には、必要最小限を深く覚えたことが効果的だったと思う。
正誤を判断するべき場所に慣れるためには、問題集「合格のツボ 択一対策」と
過去問題集「IDE社労士塾条文別過去問題集」が非常に役に立った。
特に、後者は解説が充実しているので、基本書の復習のように制度の理解にも
効果的だった。
30秒で正解率90%以上の正誤判断を獲得するためには、この2つの
問題集を繰り返して行い、できない穴をつぶしていくことが有効と思う。
私には、3回繰り返して3回ともできない問題がいくつもあったため、
そのような問題だけできるまで繰り返した。
最終的に、210分で70%を獲得できるかどうかの確認は模擬試験にて行った。
2 選択式試験(8教科各5点、80分、合格基準は70%の28点)
2-1 問題の特徴
問題形式は、法律・通達条文等の一部文章が提示されている中で、ABCDEと5つの
空欄があり、その空欄に当てはまる字句を20の選択肢から選ぶものである。
1教科当たり10分なので、2回通読しても時間には比較的余裕がある。
しかし、法律・通達条文の抜き出しなので、知らないとできないが、
基本書等にて網羅されていない通達等が出題される場合があるので悩ましい。
今年平成30年の問題で実例を挙げると、国民年金のABCである。
この国民年金は正答率が低かったため緩和措置が適用されたので、DEの
2つできれば問題がなかった。
平成23年の労災のように、ABCDEとも基本書で網羅されていない通達等
である場合もあり、実力だけでは受からないと言われている原因になっている。
いずれにしても、法律・通達条文を精確に答えることが問われている。
2-2 効果的と思う勉強方法
一般的に択一式試験の方が難易度は高いので、択一式試験対策に時間を割く
ことになる。
選択式試験は、合計点にて合格基準点を確保することは択一式試験より安易
ではあるが、どの教科も3点確保することが難しい。
私は、最後まで健康保険に穴があり、模擬試験で2点しかとれなかった。
条文・通達を知らなくては解けないが、やみくもに厚い基本書を採用しても
必ず漏れがあるので、類推でも3点確保することを狙った。
繰り返しになるが、途中で厚い基本書に買い替えようかとても迷ったが、
買い替えなくて正解だった。
基本的には、条文を暗記する勉強法が効果的である。
「合格のツボ 選択対策」、無敵の社労士付属の暗記カード、TAC出版の
「全科目横断総まとめ」が役立った。特に、「全科目横断総まとめ」の冒頭の
各法の目的条文はしっかり暗記して、各法の趣旨と使われている単語の違いを
しっかり理解した。
これにより、基本書に網羅されていない条文が出題されても、趣旨を踏まえて
最も近い字句を類推することを目指した。
なお、今年平成30年の選択式「国民年金」のABのように、法改正に絡んだ
部分については、法改正説明である「無敵の社労士3 直前対策」にて
触れてあったので、直前対策は必須である。
また、模擬試験にて新しい選択式試験問題に触れて、どんな問題でも
3点取れるかを確認することも重要である。
しかしながら、選択式試験については出題問題という運に左右される面は
捨てきれないため、私の体験談でしかありません。
3 最後に
初年度受験、特に独学では、短時間で効率的な勉強が合格には必要です。
個々人に合った教材選択と勉強実践にあたり、私の体験が、少しでも参考に
なれば幸いです。ご健闘を祈ります。
これにて、私の合格体験記は終わりとします。
なお、実務研修(東京B)に申し込みました。
「社労士へのその後」は、別ブログにて公開してます。
お寄りいただけると嬉しいです。